失われていく道具たち【日立 C12FS】
9月の頭に大工さんから、「丸ノコが壊れた」という話が飛び込んできました。
よくよく話を聞くと、のこぎりの歯をカバーする部材が経年劣化で割れてしまったようで、
のこぎりの歯がむき出し状態になってしまっているとのこと。
刃はしっかり回転するので使えなくはないですが大変危険な状態でした。

↑のこぎりの歯をカバーしていた樹脂製の部品が取れてしまい、刃がむき出しになっていました。
この話を最初にされたとき、大工さん達からは、
同じ機種をネットオークションで買えないかということをしきりに相談されました。
自分は最新の丸ノコを買えばよいのではと安易に考えてしまったのですが、
色々と調べていく中で、
実はこの古い古い日立のC12FSという卓上スライド丸のこは現行の機種では対応できない幅の板を切断できる
今となっては大変貴重な丸ノコだということがわかってきました。
卓上スライド丸のこを製造しているメーカーさんのホームページを各社みてみると、
現行の機種では、幅312mmが限界ですが、
このC12FSという卓上スライド丸のこはなんと、幅450mmまで切断可能!
100mm以上も切断能力に差がありました!
あまりにも唯一無二なので、
結局、ネット中を探し回り愛知県に信じられないくらいの美品を出品されている方を発見。
すぐに連絡を取らせていただきました。
とても大きな丸ノコで、一般の方ではとても郵送ができないため、
1か月後に予定されていた社長と部長の関西出張途中にどうにか回収をお願いし、
この度、無事作業場に据え付けられました。

↑作業場に納品された美品のC12FS、カバーの劣化も少なく末永く使えそうです。
そしてこのC12FSよくよく見ると、製造年が平成3年で自分と同級生でした!
機械と言えど不思議と親近感が湧いてくるものですね。

↑平成3年10月製造 34歳で同い年です。
最新の機種なら当然もっと便利になっていると思い込んでいましたが、
代替品すら製造されていないという事実には驚きました。
こういった道具を扱える職人さんや、こういった道具を必要とする現場が
少なくなって需要がなくなってしまったのだろうなと推察。
ちょっと、ノスタルジーな気持ちに浸りながらも、
山田建設にはこういった道具を扱える大工さんたちがいるというのがとても心強いなと思いました。
今年は若手も入ってきてくれたので、
是非そういった子たちにも道具はもちろん大工さんとしての貴重な技術を伝承していってもらえればいいなと思います。
設計 鈴木