【社員研修】徳島県で藍染め体験とゼロウェイストセンター見学 後編
社員研修後編です。(前編はこちらから)
2日目も、朝から夜までみっちりスケジュールが詰まっています。
まず、誉建設さんの施工中の現場を見学しました。
現場に入って皆が思ったこと。『現場が綺麗!』
先日、弊社の安全大会にてヒヤリハットについて話があったのですが、掃除が行き届き整理整頓されている現場は事故やケガなどが格段に少なくなります。
また、お施主様の大切な家を預かっているという気持ちが、信頼関係や安心感へとつながります。
棟梁の山下さんの心遣いや仕事に対する思いが表れている現場だなと思いました。
また、この物件は昨日見学した工場で手刻みを行った現場だそうで、実際大工としてのメリットデメリットなどのお話も伺いました。
同じ社員大工を持つ工務店として、大工育成について深く知ることができました。

続いて、国内外で活躍する藍染め集団、BUAISOUさんで藍染めの体験を行いました。

徳島県は江戸時代から(室町時代からという話もあります。)藍を製造する場所で、経済や文化に豊かさをもたらしました。
阿波藍と呼ばれ、今でも全国シェアの大半を占めています。
BUAISOUさんでは、藍の栽培から蒅(すくも)と呼ばれる染料づくり、染色、デザイン、製作までを一貫して行います。
栽培には科学性肥料や動物性肥料を使わず、植物性肥料を使い、食べるものではないけれど、無農薬にこだわっているそうです。

これは葉を寝かせ、約五か月かけて発酵させているところです。
ねどこに敷き詰めて水をかけ混ぜて寝かすという作業を、週に1回、トータル20回行います。
中心の温度は約70度!手を入れるとサウナのような暑さを感じました。
この後灰汁をかけてさらに発酵させるそうですが、とにかくものすごい手間暇がかかっていることがわかりました。
実際、藍染めをしている時間より、農作業をしている時間のほうが多いそうです。

一通りお話を聞き、藍染め体験に移ります!
まず、てぬぐいに自分の好きな形の版を置きます。
柄の部分が染まらないように、上からのりを塗っていきます。


のりを塗るだけなのに力加減や角度の調節が難しく、うまくいきませんでした…。
そして、染液の中に白い手ぬぐいをしずめます。


これを2回繰り返し、水とお湯で綺麗に洗い流し、完成です!
もっと濃く染めるときは、上の工程を何度も繰り返すそうです。
それぞれの個性が出た、良い手ぬぐいが出来上がりました。

体験してみて、ただ藍染めをしているのではなく、ストーリーや想いを強く感じました。
そして、その想いに感動や共感した人たちが集まってきている印象を受けました。
我々も、ただ家を建てているわけではありません。
高性能なことが将来的に家族の健康やお金のことに繋がったり、社会がよくなる家づくりをし、ずっと先の未来まで家守りとしての責任を果たしていく。
そして、お客様が描く暮らしを叶える家づくりをしています。
きっと、そのような想いに共感していただいた方々が弊社を選んでくださるのかなと改めて感じました。

午後は、徳島県上勝町にあるゼロ・ウェイストセンターを見学しました。
ゼロウェイストとは、ゴミをゼロにし、無駄や浪費をなくすという意味です。
ゴミを燃やしたり、埋め立てるのではなく、再利用することで資源を大切にし、そもそもゴミを出さないことを目的としています。
上勝町は四国で一番小さい町で、人工は約1300人。町にゴミ収集車はありません。
そして、2003年に日本初のゼロ・ウェイスト宣言をした街として知られています。
写真のセンターが建っている場所は、もともと不法投棄されたゴミがたくさんありました。

ゴミをなんとかしようと、野焼きをしていたのをやめ、焼却炉で燃やしていましたが、2001年に法律違反の問題で焼却炉が閉鎖。
これからどうしようという時、町民のほとんどが車を持っているので、ゴミを一か所に集めることはできることに気づきました。
また、もともと物を大切にする暮らしをしている人も多く、自分たちの手でゴミの分別をすることができる町民性がありました。
ゴールを決めて今の状態になったのではなく、上勝町の暮らしや町民性に合わせて、今の形ができあがったそうです。
2020年にはリサイクル率が80%になりました。ですが、残り20%を達成するのはなかなか難しいそう。
使用済みティッシュや、マスク、紙おむつなどの使い捨て衛生用品、革やゴム製品、あとは貝殻もリサイクルできないそう。
この20%は、これらを作っている企業に、再資源化しやすいモノづくりの見直しをしてもらい、次のステップにいけるよう働きかけているそうです。

町民はセンターにゴミを持ち込み、自分の手で13種類43分別にゴミを分けます。数を聞き、あまりの多さに驚きました。
紙だけで9つの分別があり、かなり大変だなという印象です。



このゴミが何にリサイクルされて、町に何円の利益があるかなど可視化されていて、町民の意欲に繋がっているのかもと思いました。
私たちの生活ではゴミをまとめて置いておけば、ゴミ収集車が持って行ってくれるのが当たり前で、上勝町のようなことは到底できないという意見もありました。
ですが、これは上勝町だからできていることであって、他の地域には他の地域なりのやりかたがあるということ。
出口を知ることで入り口が変わるという言葉がとても印象に残りました。
ゴミに限らず、自分だからできることを探し続けるのは、とても大切なことだなと思いました。
とても学びが多い、充実した社員研修になりました!
今年も残りわずかですが、再び気合いを入れなおして日々の業務に取り組みたいと思います!
広報 佐々木