北海道断熱修行の旅 3日目 ~完~
『北海道断熱修行の旅 2日目午後』の続きです。
本日は朝6時に起床、
この3日間ですっかりおなじみになったセイコーマートでおにぎりを買って、
旭川から札幌へと向かいました。
↑ 早朝の旭川は-8度!極寒と言いたいところですが旭川的には暖かい方みたいです、、
本日の1か所目は札幌から少し南の手稲にある北海道科学大学です。
断熱材の研究をされている平川准教授のお話を伺ってまいりました。
↑ 北海道科学大学の平川准教授。
今度の法改正の背景から北海道の断熱改修事情までとても面白い話をたくさん聞いてまいりました。
中でも面白かったお話が付加断熱の温熱以外のメリットです。
付加断熱は一般的にはスタイロフォーム系の断熱材(イメージとしては発砲スチロールの進化版みたいなもの)を、
柱間の断熱材とは別に、外側にも断熱していく方法です。
この付加断熱をするのとしないのでは、壁の耐力が倍くらい変わるそうです。
現状は改修工事でしか認定が取れていないので、
新築の構造計算の際には考慮できませんが、
断熱改修が必要となる家の場合、耐震性能も問題となることがほとんどなので、
非常に有益な情報を聞くことができたなと思います。
気になる方は是非下記のサイトもご覧ください。
今回2か所目は、『旧荒谷邸』という45年も前に、
現在の断熱等級7の仕様で設計された建物を見学する予定でしたが、
先方のご都合で急遽見学ができなくなってしまったため、
亜耕さんとお施主様のご厚意で、性能向上リフォーム物件『発寒の家Ⅲ』を見学させていただきました。
この物件はすでにお施主様が住まわれているのですが、この急な訪問も快諾していただけたそうで、
亜耕さんとお施主様の信頼関係の深さを垣間見させてもらいました。
また、ここでも亜耕さんから面白い話をお聞きできたのですが、
この暖かい家には、なぜかペレットストーブがありました。
これだけ断熱改修をしっかりとしていればエアコンでも十分暖かくできます。
でも、どんなに暖かい家を設計しても、
お施主様の過ごしてきた記憶や習慣を大切にすることが大事で、
昔の寒い家でストーブに当たって暖を取っていたという記憶から、
新しい家で室温が21~22度と安定して暖かくても、
以前のような強力な熱源がないと物足りなく感じる可能性もあるそうです。
そういったところまで配慮されて設計されている亜耕さんにただただ脱帽。
設計の道は本当に奥が深いなと思いました。
そして3か所目も亜耕さんの手がけている『発寒の家Ⅳ』へ。
こちらは工事中の現場になります。
北海道では雪が降る冬季は外回りの工事ができません。
そのために、内装工事が冬に来るように工程を調整したり、
着工時にカーポートを先につくって、屋外の作業スペースを確保したりと、
雪国ならではの工夫があることを知りました。
↑ 亜耕さんと大工さんの打ち合わせを見学、、こういったところは当然ですが変わらないものですね!
この旅の中で、竣工後の物件、竣工直前の物件、工事中の物件と
3つのタイミングで見学させてもらい、北海道の家づくりを間近で見せていただくことができました。
特に工事中の物件と竣工後の物件は見ようと思って見れるものではないため、
とても貴重な体験をさせていただいたなと思います。
最後の目的地は札幌にある建築指導センターへ。
住宅相談や各種申請の審査、建築情報の発信など様々な役割を担っています。
神奈川でも参考になるような資料をいろいろと頂いてきました。
↑ これにて断熱修行旅は終了。参加メンバーや計画者の森さん林さん、帯同してくれた亜耕さん、一人ひとりが旅を振り返り一言。
鈴木