重心の話
設計の森田です。
3月も下旬になり、暖かい日も多くなりました。
折角春の陽気になってきたので、土木事務所へ書類を取りに外へ。
帰り際に地図を開くと、フランク・ロイド・ライトの雰囲気漂う建築が道路の向かいに。
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本日は、重心の話。
訪ねた建物は、ライトの基で学んだ遠藤新設計の建物が移築されたものでした。
設計をしていると、よく「空間の重心を低く」とか、「灯りの重心を低く」ということを気にすることがあります。
「気が丹田に落ちる」と言いますが、落ち着きと体の重心に相関があるとすれば、空間や灯りの重心の位置も、落ち着きと密接に関わっていると言えます。

中に入ってみると、なんとなく全体的に低いなあという印象。

しかしダイニングでくつろぐ時に視線を合わせれば、天井の低さも、長押にも似たラインの流し方も、やや低めなダイニングセットの高さも、しっくりきます。
照明も、天井にはいわゆるダウンライトやシーリングライトはありません。
真っ暗な部屋に、ひとつ行灯やろうそくが灯っていれば、そこが居場所になるように、均一に照らされた箱にせず、灯りのつくりかたで、居場所も、落ち着きも作ることができます。
体の中心から少し下にある丹田に気持ちが戻ったときに落ち着きが生まれるとすれば、空間の重心も灯りの重心も少しだけ下げて、自分の居場所と重なるようにすることで、落ち着きをつくっていると言えるかもしれません。
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住宅は、私たちが心を休める居場所でありたいと思います。
派手ではなくても、「ずっとそこにいたい」と思えるような骨格を、光とともにつくりたい。
そう思いながら、日々鍛錬です。
設計 森田