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建築探訪【モンタナ修道院】

2026-01-13

昨年の12月に鈴木アトリエの鈴木信弘さん設計の腰越のモンタナ修道院を見学してきました。

今井兼次設計の修道院聖堂の眼前に建物を計画するということで

色々と悩まれているというお話は聞いていましたが、

まるで元からその場所にあったのではないかと思うほどにこの敷地に馴染んだ建物になっていました。

↑写真中央奥 今井兼次 設計の修道院聖堂 左がアルベルトブルトンホール 右がエインカレム修道院

 

まず案内して頂いたのは、アルベルトブルトンホール。

鮮やかな緑色が目を引く建物で、創立者のアルベルトブルトンの名前を冠する地域開放型の施設です。

開かれた修道院をモットーとしている本修道院にはピッタリの施設だなと思います。

元々あった施設ではないので、信弘さんが様々な使い方をシスター達に提案して作り上げていったそうです。

↑ホール部分 トラス構造の骨組みとハイサイドライトからの光の入り方が素敵でした。

 

ホールの架構は近隣の道路が狭いため、細かな部材を三角形に組んで強度を出す、

トラス構造を使って大スパンを実現されていました。

こういった迫力のある大空間を計画しながらも、

普段の住宅で大切にされている細やかな心配りが至る所に散りばめられていて、

エントランス脇には桜の見えるベンチ、

ミニキッチンとホールの間には小窓がついていて飲み物を出しやすいような配慮があったり、

窓上には聖書を置けるちょっとした棚があったりと見どころ満載でした。

↑エントランス脇のベンチスペース 中庭が一望でき、春には桜を楽しめます。

↑ホール脇のミニキッチン カウンタの奥にはホールと繋がる小窓が計画されていました。

 

↑窓周りの細やかな工夫 聖書を置くための棚でありながら、ブラインド隠しも兼ねています。

 

次に案内して頂いたのはエインカレム修道院。

自分は修道院というものをよく理解していなかったのですが、

シスター達が共同で生活する家のような場所とのことで、

ここで生活しながら外に奉仕として仕事に出掛けている方もいるそうです。

↑シスター達の寝室 障子から柔らかな光が漏れていました。

↑こちらは介護が必要になった高齢のシスターのための部屋 訪問介護を受けられるように広めに計画してあります。

↑街路のような廊下 トイレを建物に見立てて時計がついていたり窓のような照明がついています。

 

食堂は桜と聖堂が見える最高のロケーションで窓辺の高さを抑えた感じがとても居心地よく、

併設された祈りの場所も壁で隠されたハイサイドライトから光が落ちてとても神秘的でした。

↑食堂 こちらも大空間を実現するためにトラス構造を使っています。

↑黄色い光が落ちてくる祈りの場 壁で隠れた部分はハイサイドライトで天井を黄色く塗っているだけとのこと。

信弘さんに案内をしてもらっていると、シスターさんがいらっしゃって、

『本当にこの修道院は暖かいの』と、とてもうれしそうに話されていたのが印象的でした。

住宅と同じようにしっかりと断熱され、居心地の良い意匠が散りばめられ、

ここで生活できるシスター達は本当に幸せだろうなと思いました。

信弘さん、お忙しい中ご案内頂きありがとうございました!

 

設計 鈴木