建築と家具のあいだ
いよいよ7月になりました。
梅雨がまだまだ続いて湿気の多い季節です。
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先日は母校での講演会に足を運び、お世話になった先生方に久しぶりのご挨拶もかねて拝聴しに行きました。

Yチェアをはじめとする名作椅子の系譜と、それを支える構造についての話。
デザイナーズチェアは日本では北欧家具が有名ですが、それらが永く支持される秘訣は、徹底的な機能性と、裏付けされた「生産性の延長」にあると改めて実感します。
椅子の起源は古代エジプトまで遡り、多くのデザイナーへ影響を与えてきました。
椅子の基本的な骨格は昔からあまり変わらないものですが、時代と共にデザインと作り方は、多様に変化してきました。
椅子を分解し、図面を引き、実際にレプリカをつくってみる。ただ眺めるだけでは決して見えてこない「設計者の意図」が、手を動かすことで初めて深く理解できます。

学生の頃に作ったリートフェルトの「レッド&ブルーチェア」
オランダの流れを汲む一見シンプルなデザインからは想像がつかない合理性が、図面を書き組み方を考えて実際に作ってみるとよくわかります。
非常に洗練されていて、直線的な見た目からは想像もつかないほど、座ると身体に馴染む座り心地の良さがあります。

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家具は建築よりも、手触りや座り心地など、より人間の身体に近い「手仕事」の領域です。
かつて巨匠と呼ばれた建築家たちは、自らが設計した建築に合わせて、空間の標準となる椅子を当たり前のようにデザインしていました。
建築の延長にある家具。家具の延長にある建築。
ディテールの手触りから、構造や空間全体まで、双方の視点を行き来すること。
居心地のための建築をつくるには、欠かせない視点だと思っています。
日々の実務の中でも、手仕事の視点を忘れずに、細部まで丁寧な設計をしていきたいと思っています。
設計 森田